【修理事例】使用2回目で塗料が出ない

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実際にあった修理事例をご紹介します。

お問い合わせ内容

分解洗浄しましたが塗料が出ません。
付属されているブラシで出来るだけ洗浄しました。
終わった後に薄め液だけを入れて噴射してみましたが、一滴垂れて後は何も噴射されません。
うがいもできない状態です。
希釈が少ないと1、2回の使用でこのような事になるのでしょうか?

上記の内容から、下記のFAQをご案内いたしましたが改善しないため、不具合が見られるハンドピースを回収し、原因について詳しく見ていきます。

ハンドピースの不具合の症状と、現品の確認

現品を確認してみると、目立った汚れはなく、トリガーテンションダイヤルに僅かにペンチの傷がありました。

動作確認をしてみると、うがいにすらならず、霧は全く出ない状態でした。

ハンドピースをオーバーホール(分解洗浄)する

ノズル基部(ボディ内部)の洗浄

ボディの内部から、塗料の残りが出てきました。修理点検ではよく塗料残りが見受けられる部分です。

ニードルが通らない状態

ノズル内部に塗料が固着しており、ニードルが出ない状態となっておりました。

少し強めに押し込んだところ、ニードルが出てきました。

エアアジャスターのダイヤルが塗料により固着していました。
これによりグリス切れと劣化があり、エアー漏れしていました。本来であればこの部分に塗料が回ってしまうことはないのですが、ノズルやノズルキャップに塗料が付いていると逆流して塗料が漏れてしまいます。

エアアジャスターのボディ側も塗料が固着していました。

エアー動線が塗料で固着していました。

ノズルキャップの内側にも塗料が固着していました。

分解・洗浄後の動作確認・まとめ

一通り洗浄して組み立てましたが完調にはなりませんでした。

残った塗料が内部に固着しており、洗浄しても回復しない状態となってしまったと思われます。

今回の件から1、2回の使用でも洗浄不足によりハンドピースを使用不可能な状態にしてしまうことが
お分かりいただけたかと思います。

取扱説明書には「10回程度の使用で分解洗浄を実施してください」と記載しておりますが、不具合を感じたら使用回数に関わらず分解洗浄を行なってください。

また、ハンドピースを長くお使いいただくために、メンテナンス用品も揃えておきましょう。
動画で分解洗浄(オーバーホール)の説明もしているので、はじめてエアブラシを使用する場合はこちらもご覧ください。

<ご注意>
※お電話でのお問い合わせには対応しておりません。
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営業時間外および土日祝にご連絡いただいた場合、対応は翌営業日以降となります。

前の記事 エアーは出るが、塗料が出ない(数回使用後)
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