【修理事例】分解洗浄(オーバーホール)を実施したが塗料が出ない

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こんにちは!RAYWOODカスタマーサポートです。エアブラシに関するお問い合わせを大別すると

  • エアーの問題(エアーが弱い、出ない)
  • 塗料の問題(塗料が出ない、出が悪い)

この二つのうちのいずれかが多いです。エアーが出ない原因の殆どはコンプレッサーの初期不良など、コンプレッサーの異常です(※コンプレッサーは商品の性質上、修理等はできませんので新しいものをお届け致します)。

一方、「エアーは出るけど塗料が出ない」。こちらはハンドピース内部のメンテナンス不足(洗浄不足)によることが大多数です。「最初は塗料が出たんですが、だんだん出なくなって、ついには全く出なくなりました」というような状況でしたら尚更です。メンテナンスにつきましてはメンテナンスマニュアルをご参照の上、皆様ご自身にお願いしております。

今回は弊社に「塗料が出ない」と返品されてきたハンドピースの実物を元に「エアーは出るけど塗料が出ない」場合の対処方法について、詳しく説明していきます。

ハンドピースの不具合の症状と、現品の確認

5回使用後に急に塗料が出なくなり、何度も掃除をしましたが出ません。
ニードルも先端も交換してみましたがダメでした。
前はうがいをする際、少しノズルを回すだけで出来ましたが、今ではかなり回さないとできません。
(注:おそらく、一度も分解洗浄をされていない状況かと思われましたので、ここで一度分解洗浄をご案内しました。)
説明書を読みながらオーバーホールしましたがダメでした。
塗料も出ますが最初より勢いが弱くなっています。

profix エアブラシ

現品を確認してみると、外装については特別目立った汚れはなくエアアジャスター周りに少し塗料が付着している程度でした。

動作確認をしてみるとお客様の仰る通り、噴霧の勢いが非常に弱い状態でした。やはりこちらは不良品なのでしょうか?分解して内部の汚れを確認してみます。

ハンドピースをオーバーホール(分解洗浄)してみましょう

ニードルキャップ内側に一目でわかるくらい非常に沢山の塗料が固着しています。

うすめ液に浸した綿棒でニードルキャップ内側をこそげ取ると、固着した塗料がごっそり取れました。

この時点で再度組み立て、試し吹きをしましたがほぼ問題なく吹き付けが出来るまで回復していました。

引き続き分解し各パーツを洗浄していきます。ニードルガイド周りにも塗料が塊になってこびり付いていました。

ハンドピースのボディの塗料動線内を洗浄したところ、多くの塗料が固着していました。

一通りのオーバーホールを終えて組み立て、最後に再度動作確認を行なったところ完調となり、問題なく使えるようになりました。

参考)YouTubeのエアブラシ分解洗浄 解説動画

まとめ

結論を申し上げるとこちらは不良品ではありませんでした。ラッカー塗料・アクリル塗料・エナメル塗料など一般的な模型用塗料を使用している場合はうがい洗浄さえしっかり行っていれば、5回程度の使用でこれほどの塗料が固着した状態になってしまうことは無いため、使用後毎の「うがい洗浄」が十分にできていなかったことが主な原因と考えられます。

また少しでも調子が悪いと感じられた時は、今回のように一度オーバーホール(分解洗浄)を行い各部の汚れを落としていただき、グリスアップの上組み立て直すことで元通りにすることが可能です。

どうかハンドピースは使い捨てせず、長く大事に使用していただけることを心からお願い申し上げます。

分解洗浄に関するご不明点等ございましたら下記よりお気軽にお問い合わせください。

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